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わが子を徹底した英才教育をしたタイガー・マザー

わが子を徹底した英才教育をしたタイガー・マザー

赤ちゃんが誕生して、生活に馴れ始めたころに・・気になるのが早期教育です。早期教育を取り寄せて内容をみると「脳が柔軟なうちに・・早ければ早いほど良い」と言われています。赤ちゃんが泣きやまないときにかけると赤ちゃんが泣き止むいうCDが発売されていたりいます。また優れた音楽化にするために、子どもに早期エリート教育をしようと考えている人もいるかもしれません。最近話題になっているのが、タイガー・マザーといわれる自叙伝がアメリカで発売されて大きな話題になりました。

タイガー・マザー

作者はエイミー・チュアで、2011年にアメリカで出版されました。この本は子育ての教育のハウツー本ではなく、エイミー・チュアの自伝的エッセイです。2人の娘を育てた母親、エイミー・チュアが中国人の父親から受け継いだ伝統に基づいて子育てをします。

親が子どもに残してあげる財産は【教育と技能】と考えて、中国式の理念に基づく厳しい英才教育でした。エイミー・チュア自身もワーキングマザーで、イェール大学の教授職に就いていながら、子どもを徹底的に鍛え上げます。朝3時に起きて、カリフォルニアでの仕事をするために東海岸から飛行機で飛び、娘のレッスンに間に合わせるためにカリフォルニアから自宅のある東海岸へ日帰りで戻り、週末は車で2時間かけて一流の先生のところへ子どもを送り届けます。

長女のソフィアはエール大学とハーバード大学に合格して、あるいみ母親の思うとおりの子育てができましたが、次女は母に対して徹底的に反抗しました。エイミー・チュアがこの本を書いたのは、次女の反抗で打ちのめされた後に書かれています。

タイガー・マザーが子どもに禁じたこと

  • お友達の家へ”お泊り会”に参加すること
  • 家にお友達を呼んで、家で遊ぶこと
  • 学校の発表会などに出演すること
  • 発表会に出演しないことに関しての不平、不満を言うこと
  • テレビをみることと、コンピュータ・ゲームなどゲームをすること
  • 自分の意志で、習い事を選ぶこと
  • A未満の成績を取ることは許されない
  • 体育と演劇以外の全教科で1番にならないこと
  • ピアノとバイオリン以外の楽器を弾くことはダメ
  • ピアノやバイオリンを弾かないこと

2人の子供たちは、上記のことが求められました。つまりそれは、ピアノ・バイオリンの練習は毎日必ずしなくてはならず、お友達と遊ぶことは許されていません。そして成績は体育と演劇以外では、常にオールAを求められたということです。

これは家族で行く海外旅行でも同じです。バイオリンは持ち込み、練習させます。ピアノは持ち込むことができないので、ホテルに掛け合ってホテルのパーティールームなどを数時間借りて練習させます。ピアノとバイオリンの練習をしてから、観光へ出かけるという感じでエイミーは絶対に妥協はしませんでした。(次女のルルに反発されるまでは)

ある調査によると、アメリカのチャイニーズ系子どもは、アングロサクソン系の子どもに比べると勉強時間が10倍多くなっていて、スポーツへの参加は、アングロサクソン系の両親の子どもの方が高い傾向にあるという結果がでました。

本の中で、物議をかもしたことは母親が長女ソフィアの態度が悪かった時に、娘を「ゴミ」と呼んだことです。母親のエイミーも子どもの頃、態度が悪いとたびたび父親から福建省の言葉で「ゴミ」と呼ばれていたため、娘の態度が悪い時に「ゴミ」と呼びました。このことをあるパーティでアングロサクソン系のママ達に話したところ、一人の親は泣き出してその場を退出し、他の親たちは「ゴミ」と娘を呼んだエイミーの考え方を矯正しようとなりました。

長女ソフィアは、タイガー・マザーが課した教育を受けいれて、13歳でジュニアの演奏コンクールで優勝して、14歳でカーネギーホールでリサイタルを開いています。もちろん学業でも見事な成績を収めました。次女のルルは、10歳の時に強制的に受験させられてアジュリアード音楽院の大学前プラグラムには落選していますが、その時に試験官のひとりだった有名なバイオリン教師に見初められてNYのスタジオでレッスンをうけることになりました。

結局次女のルルは、母親に大いに反発してついに母親に「バイオリンを辞めてもいい」といわせることに成功して、オーケストラは辞めて趣味として、バイオリンは続けていますが、長年禁止されていたテニスに打ち込み中学生ながらも高校生リーグで活躍しています。長女と違ってとことん母親に反発して勝ち取ったスポーツということもあり、そこに打ち込む気持ちはすごいものがあるのでしょう。

タイガーといわれる理由

次女のルルが7歳の時のことのエピソードがあります。このエピソードなどは、タイガー・マザーといわれるだけのことはあります。

ピアノ曲『The Little White Donkey』(ジャック・イベール作曲)を、ルルが練習していた時の話です。その当時7歳のルルが、1週間練習してもこの曲はなかなか上達しませんでした。

あげく、うまく弾けないのでかんしゃくを起したり、楽譜を破るといったごねかたをしたので、母のエイミーはルルのドお人形の家を車に引きずってきました。

エイミー「明日までに完全にマスターしなかったら、1つずつ人形を寄付するわよ!」と脅します。

ルル「あら?!もう寄付しにだしたんじゃなかったの?、まだここにいるの?」と言いかえします。

エイミー「昼食抜き」⇒「夕食抜き」⇒「クリスマスやハヌカーのプレゼントもなし」⇒「誕生日パーティーも2年...3年...4年なし」と脅します。

それでもルルが同じ曲をまだ弾きこなせないでいると、「できないとわかってわざと間違っているでしょう!」と責めていき、「怠慢で卑怯で自分勝手で哀れなマネはやめなさい!!!」言います。

さすがに、その様子を見かねた夫のジェッド(ユダヤ系アメリカ人:イェール大学法学院教授)が助け舟をだします。「ルルにはまだ早いんじゃないか」と、練習を止めさせようとします。

エイミーは「ソフィアが同じ歳の時にできたことが、ルルにできないはずがありません」という信念があり、結局夕食の時間を過ぎて夜になっても練習を続行し続けます。

ルルは、『立つこと』『水を飲むこと』『トイレに行くこと』も許さずに、ひたすら同じ曲を練習し続けさせられた結果、ルルはついに曲をマスターしました。弾けなかった曲をマスターすると、ルルは嬉しそうに「ママ、見て! これ、簡単よ」と何度も何度も演奏して、ピアノの側を離れようとしませんでした。

そして、演奏会のときにルルが『The Little White Donkey』を演奏すると、他の親たちに「ルルちゃんにピッタリの曲」と褒められたといいます。

エイミーが断言することは「子どもの自尊心にとって最悪なことは、あきらめさせることだ」と断言しています。長女は、上の子らしいいわゆる優等生タイプで、母親に対して不満がありながらも反抗することはなく、いやいやではありながらも母親を喜ばせようと一生懸命努力します。しかし次女は幼い頃から反発します。まだ幼いうちは、どんなに母親とケンカしても最終的には仲直りはしていましたが、13歳になった時には徹底抗戦をして、最終的にバイオリンを辞めることを母親に納得させることに成功します。タイガーが遂に娘の意志を尊重したのは、13歳のことです。